PHaT PHOTO フォトコンテスト 天使と悪魔の写真鑑定ルーム
悪魔青写真商会
ここは悪魔青写真商会。
最近ワシの鑑定にも懲りずにリベンジしてくる輩が多すぎる! そこで人間界からワシの片腕にふさわしい人物を招いた。写真家の大和田良だ。写真について真摯に向き合っているからこそ放たれる鋭いナイフのような鑑定。
悪魔のワシでも「うむむむ」と唸ってしまう内容だ。怪我しないよう注意しろ!(今回は特別に4名の鑑定結果をアップしました)
作品1:吉見俊二 (34歳・神奈川県・男性)
タイトル:熱視線
【撮影意図】
高校野球夏の県予選 スタンドからの熱い視線を背中から表現してみました。
【使用カメラ】
コニカミノルタα7
†悪魔の鑑定†
スタンドからというシチュエーションがこの写真には写っていないですね。応援団の先には動きのある選手か緑の芝生が見えなければただ練習しているようにも見えます。また、この場合、手を振っているなり声援を送っているなりのアクションが被写体になくては”熱さ”は伝わりません。そして、プリントの色が悪いですね。夏の太陽と高校生の肌はこんな曇った色はしていないはずです。再チャレンジをお待ちしています。
作品2:マッキー(32歳・神奈川県・女性)
タイトル:お兄ちゃん待って~
【撮影意図】
坊主頭の兄弟が、とっても可愛かったので見ていたら、弟が転びました。その瞬間がこれまた可愛かったので撮りました。
【使用カメラ】
フジフイルム Finepix F40fd /絞り F8/シャッタースピード 1/1500
†悪魔の鑑定†
この時点では手前の子どもが転んだことにだけ意識を集中しているから、ねらいの「お兄ちゃん〜」は表現されていません。登場人物がひとりも主役になっていないという感じ。顔を上げ、お兄ちゃんのほうを向いているか、転んだ瞬間、もしくは再度走って追いかけるところをねらったほうがよかったです。再チャレンジをお待ちしています。
作品3:よっさん (23歳・京都府・女性)
タイトル:夏休み
【撮影意図】
水族館で水槽のクラゲを見る子どもたちに夏休み独特の雰囲気を感じました。
【使用カメラ】
カシオ EXILIM
†悪魔の鑑定†
この角度から撮る必要性があったのでしょうか。正面から水槽の青と子どもたちのシルエットだけで構成したほうが意図が伝わりやすかったと思います。影絵のように写る子どものシルエットときれいな青と白のコントラストを撮影するためにはあと30分はこの場にいてねらう必要があったのではないでしょうか。再チャレンジをお待ちしております。
作品4:野乃有葉(40歳・北海道・女性)
タイトル:花摘み
【撮影意図】
明るい光の当たる風景を撮りたかった。
【使用カメラ】
キヤノンEOS kiss Digital X/絞り 7.1/シャッタースピード 1/250秒
†悪魔の鑑定†
光の当たっている場所が多すぎて、「明るい光」を撮ったというよりただ眩しいだけの写真に見えました。あくまで「明るい光」が被写体なのだから、それが際だつようなシチュエーションを探すべきだったのでは。影こそが光を際だたせるものだと知っておいたほうがいいと思います。しかし、後ろのボケた建物と人物の背景は気持ちの悪い立体感があり、結構よいです。再チャレンジをお待ちしております。
悪魔青写真商会ゲスト鑑定士:
大和田良(おおわだりょう)
profile:1978年宮城県仙台市生まれ。2004年東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻修了。2005年にスイスのエリゼ美術館による「明日の有望写真家50人」に選ばれ、以降ドイツのLUMASをはじめ国内外で作品を発表している。昨年、初の写真集『prism』を発表した。
http://www.ryoohwada.com/