私の好きな写真の先生 vol.1

大阪府立成城高校写真部の躍進の秘密に迫る…!

cms.jpg―NYでの写真の勉強や、そのNY作品でキヤノンサロンの個展開催など、
写真家としてのキャリアも輝かしい山口先生率いる大阪府立成城高校写真部!
2011年には、見事、写真甲子園で優勝。
また、同年、部員の木村祐太君(当時、成城高校3年)が
「よみうり写真大賞グランプリ」を受賞。
そして、今年2012年、「キヤノン写真新世紀」において、
高校生の入賞自体が珍しい中、同じ高校から同時に2名の佳作受賞者を生んだ!

-山口先生
24人の部員がいる中で活発に活動しているのは15人くらいです。
男女比は半々。
カメラは3人に1台の割合で用意している。
高校生らしい、自分というフィルターを通して撮る写真を奨励しているけれど、
一方で「3カ月はちゃんとやれ!」、「自分の意見はいらない!」と厳しく指導もしている。
つまり、カメラの使い方といった基本を覚えるまでは、徒弟制度みたいな感じ。
そのやり方が良かった!と思っている。


―徒弟制度とはたとえだろうが穏やかではない。
生徒はいうことを聞いているのだろうか?
山口先生の話を聞いていくうちに、生徒への深い愛情が言葉の端端からうかがい知れる。

-山口先生
写真をやっている友人たちが賞を取ったら腹が立ったけど(笑)、
去年、3年生の木村(祐太)がよみうり写真大賞で入選したときは、
飛び上るほど嬉しかった。生徒の伸び率は素晴らしいものがある。

「写真が自分のステージを上げてくれるぞ。」って、
生徒にはいつも話していたから、それがひとつ叶ったことになる。
自信のない子たちに向けて「不安になるのは将来に期待があるからだ」って
話している中での生徒たちの成長と受賞は大変に嬉しい。
いまも「ステージを上げる券を渡すから」って激励してるんだけどね(笑)。

―そのとき、キヤノン写真新世紀で二人揃って入賞した
長渡千佳(写真右)さんと槇岡茉奈美(写真左)さんが顔を見合わせて笑った。
その笑いの意味を理解しかねて首をかしげた私に向かって、
ずっと涙ぐんでた長渡さんが
「先生にはもう特急券を3枚くらいもらっています!」
泣き笑いの笑顔で説明してくれた。
爽やかで熱いインタビューだった。




インタビュー後、山口先生から「あの子たちが私の前で泣いたのは初めてのことでした。
テラウチさんがいいポートレイトを撮る秘訣が分かった気がします」というメールを頂いた。
山口先生の長所を見つけて褒めるセンスと思いやりの心を感じた次第だ。
いっぺんに先生のファンになりました。(インタビュアー:テラウチマサト談)